北海道上の気圧の谷に南から風が入り込み、妙に暑い一日だった。
「スーパーおおぞら」に使われているディーゼルカー、キハ283系の事故は衝撃的だった。
札幌に行くために、今までに何度も利用したから。
乗っていても、線路のそばで見ていても、早さを感じる車両だ。営業最高速度は 130 km/h 、設計最高速度は 145 km/h だ。しかも曲線通過時にコンピュータ制御によって車体を最大で6度傾けることができる。
これによって半径600mのカーブを、一般車両の通過速度より40km/hも速く走り抜けることができる。
そのため、釧路と札幌の間を4時間足らずで結んでいる。
キハ283系は、ある意味で日本の鉄道技術の頂点と言えるだろう。間違いなくモノ作り日本の華の一つだろう。
根室本線の普通列車に乗って、この列車の通過待ちをしていると、隣の線路を文字通りカッ飛んでいくように走り去る姿を見ることができる。
同時に疑問も湧く。
はたして、こんなに急いでいいのだろうか、と。
この特急のために、駅間(駅と駅との距離)の長い根室本線では、普通列車が10分とか20分の通過待ちを強いられる。
JRは、民間会社になって「収益」を優先し「効率」だけを第一に考えたから、お年寄りや高校生たちなど、地元の人たちの利便性を、バッサリと切り捨てている。
「金儲けのためなら何でもする」姿勢がここにも顔を出している。
さらに、石勝線以遠の根室本線はほとんど単線区間で、「スーパーおおぞら」が「スーパーおおぞら」とすれ違うために5分10分と停車することもしばしばなのだ。輸送の速度を上げたいなら、路盤を整備し、単線区間を減らす努力をするのが王道ではないのか?
ここにもJRの「コスト切り捨て・儲け優先」の姿勢が垣間見える。
本来するべき努力を払わず、手っ取り早く良い結果だけを求める危うさを構造的に孕んでいるように思う。
そして、その結果が、先日のトンネル内での火災に結びついたのではないだろうか。
すくなくとも間接的な原因とか事故の背景に、このような構造があるのではないだろうか。
キハ283系はなかなか優れたデザインの優秀な車両だと思う。その優れた性能をもっと大事に使ってほしい。
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