2011年6月3日金曜日

増えすぎた「シカ」の害・・・東京でも

 別海でカッコウの初鳴きを聞いた。偶然だが二年前、2009年もカッコウの初鳴きは今日だった。

 さらに、羅臼と別海の両方でセイヨウオオマルハナバチを一頭ずつ捕獲した。
 初捕獲だ。

暖かい日だったのでバイクで出勤した。
 すると、羅臼は深い霧だった。典型的な夏型の天候である。

 バイクで霧の幕を裂くように突っ込む。

 霧は、視界を閉ざす。視界が閉ざされると人は、その向こう側にあるものを想像するようになる。つまりはココロの眼で世界を見るようになるのだ。

だから、霧の向こうに広がる、荒涼とした被災地の風景を見ることができる。
 荒涼とした被災地の風景の向こうには、荒れ果てた原子力発電所跡が古城のように建っているのだろう。
 そして、荒城のさらに向こうには、醜悪なシカの大きな群れが、互いに角を突き合って争っていた。醜い争い。「セイジカ」と呼ばれるシカたち。増えすぎて、環境を圧迫するシカたち。バクテリアのようにはびこっている。


 知り合いの大学教授が最近、こんなことを話してくれた。
 少し前のことだが、新しくできたばかりのある政党から代議士の候補者にならないか、という誘いを受けた。彼は、ちょっとだけその気になりかけて、いろいろと準備を始めたそうだ。
 間もなく、彼の奥さんが改まった態度で彼の前に座り、
「お話があります」と切り出したのだそうだ。
 その前には、一枚の紙が置かれており、よく見ると離婚届だったのだそうだ。
「立候補するなら、まずこれに署名捺印をしてからにして下さい」と奥さんは迫ったそうだ。
 もちろん彼は立候補を断念した。

 僕は、その奥さんはとても賢くて立派な人だと思った。
 つくづく、心の底から思った。

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