何回か書いたけれど、明日から岬に行く。羅臼町では、「岬」と言えば知床岬のことを指す。そしてそこは、多くの人々にとって、簡単には行くことのできない特別の場所であるという響きを含んでいる。
岬に行くためには船か徒歩しか方法はない。船は海が荒れると航行できない。陸路でも道はなく、海に浸かりながら歩いたり崖を登り降りしたりしなければならない。クマがいて「通せんぼ」していることも少なくない。電気や水道もないし、もちろん携帯電話も通じない。そんな場所で、「自然」と向き合ってあらためて文明とは何かを考えてみたい。
文明社会にいる僕たちは、その恩恵に十分すぎるほど浸っているが、知らないうちに「恩恵」を「当たり前」と感じる感覚が垢のようにこびりついているのではないだろうか。できるだけそれをそぎ落として、新しいものが見えるようになって帰って来られたら嬉しい。
羅臼町では「ふるさと少年探検隊」という、町内の小中学生を知床岬またはその手前まで徒歩で連れて行き、約一週間キャンプ生活をさせるという行事を続けてきた。今年はその27回目になる。
今回は、これに随行しての岬行きである。
というわけで、明日から一週間メールを下さってもお返事できません。
また、本ブログもお休みさせて頂きます。
2009年7月29日水曜日
2009年7月28日火曜日
クマの問題
知床岬行きの準備と子どもたちの訓練で過ぎた一日だった。今年はヒグマの出没が多く、キャンプサイトを高圧電気牧柵で囲むという。探検隊始まって以来のことらしい。あちこちから寄せられる情報も、「人が近づいても逃げない」とか「一般客が食料を奪われた」とかいう物騒なものが多い。
岬方面へ入り込む人が増加し、クマとヒトとの軋轢が新たな段階に入りつつあるのかも知れない。そんな岬に明後日から入り込む。
2009年7月27日月曜日
梅雨前線
今朝も雨である。気温もやや低い。
週の後半からは天気が回復し夏らしくなる…と言っているのだが、この予報は今までに何度「繰り延べ」になったことだろう。
知床岬探検隊に随行することが決まった。銃持参で。たった一人で、だ。荷が重すぎる。いや、ほとんど無茶だ。
まあ、最後の最後の砦として、だとは思うが。
北海道の太平洋岸に沿って前線が張り付いている。今日も朝から雨。
過去の日記を見ると、この日は羅臼湖に出かけて花の写真を写したり、船でシャチを探したりしていた。みな、「夏の一日を楽しんだ」という内容になっていた。記録にはないけれど、クラスキャンプなどをやっていたのもこの時期だ。つくづく今年の天候が不順であることを思い知らされる。
2009年7月26日日曜日
2009年7月25日土曜日
雨の一日
未明から「断固とした雨」が降り続いた。「激しい雨」ではないが、相当な量が連続的に降り続いた。10時から11時の一時間、洗面器を出しておいたら深さ6センチのミズが溜まった。これは純粋に一時間に60ミリということだ。
ちょっとした買い物があったので出かけようかと思っていたが、とり止めてずっと家で過ごした。家の中も片付きお金も使わない、良いことずくめの雨だ。災害が起きなければ、だが。
2009年7月24日金曜日
羅臼湖ガイド 作成中
羅臼湖までの行程の詳細をまとめてみた。今年は天候に恵まれないこともあってまだ羅臼湖に行っていない。昨年までの記憶を頼りにイメージを思い浮かべて書き進めたが、どうしても思い出せないところが何カ所かあった。どうしようかと思った時にSさんを思い出した。彼は、以前林野庁で働いていたことがあり、毎日のように羅臼湖への道をパトロールしていた。町で会うより羅臼湖で会うことの方が多かった。
さっそく電話した。幸い手が空いていたらしく、彼は、僕の質問に丁寧に答えてくれた。それは期待した以上の詳しさで、自分の部屋の間取りを説明するように正確にルートを解説してくれた。
羅臼湖へのルート解説はあっさりと完成した。持つべきものは友達である。
さっそく電話した。幸い手が空いていたらしく、彼は、僕の質問に丁寧に答えてくれた。それは期待した以上の詳しさで、自分の部屋の間取りを説明するように正確にルートを解説してくれた。
羅臼湖へのルート解説はあっさりと完成した。持つべきものは友達である。
2009年7月23日木曜日
クマのこと
羅臼湖トレッキングガイド執筆開始
今年はクマが多い。「多い」と言ったって「雨が多い」とか「蚊が多い」と言うのは違う。ヒグマの生息数なんてそうそう簡単に変動するわけがないのだから。まあ、理屈っぽく言えば「クマとの遭遇あるいは目撃事例が多い」ということなのだが。今朝も高校のグランドに出たらしい。昼頃、ハンターが出動してついに撃たれたようである。
なぜ、クマの出没が多いのだろう。理由はよくわからない。このような野生動物に関する話題になると一般の評論家然とした人々が増えてきてそれぞれの「解釈」を一くさり述べることが多いのだが、本当のところはよくわからないのだ。
ただ、日本最大の野生ほ乳類とニンゲンとが、不必要に接触する機会は可能な限り少ない方が良いに決まっている。クマたちには、どうかあまりニンゲンの領域を出歩かないようにしてほしいと願うしかない。
クマたちもニンゲンに対して、同じことを願っているのだろうが。
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