2009年3月13日金曜日

あまりにも嘆かわしい

 職員室での会話。
 「インドの人って何語を話してるの?」
 「ううん。何語かなあ?
  英語じゃないの」
  「そうだね。コンピュータの技術者なんか英語使ってるからね」

 残念なことだがこれは生徒同士の会話ではない。難関と言われる教員採用試験を突破してきた教師たちの会話だ。嘆かわしい。

 確かに観光旅行の範囲で接すると実際には英語で用が足りることだろう。だから、そう考えるのも無理はない、と言えなくもない。

 インドがアジアの一部で、英語圏に属していないことを知らないこともまあ、やむを得ないだろうか。

 僕が衝撃を受けたのは、インドがイギリスの植民地だった、ということを全く知らないまま社会人になり、教壇に立っている、という事実に対してである。英語が広く通じるのは、それなりの歴史的な背景があると推測できないのだろうか、と思ったのだ。断っておくが、この教師たちに責任はないと思う。

 このような、常識的と思われる歴史的事実をキチンと学ばせないまま、教員として現場に立たせて、何の問題も感じていない(と思われる)日本の教育行政の貧困さに驚きと憤りを覚える。

 ああ、ますます現場は…。

2009年3月12日木曜日

”うねり”に寄せて

 昨夜、中標津から羅臼にかけては吹雪模様だった。3月になって、まだ!と考えてしまうが、四年前の日記には、前夜から吹雪きが続き、我が家の除雪車「ポチョムキン」が故障した、と書かれている。
 道東では普通のことだ。春の兆しは、もう少し先にならなければ顕れないのであろう。

 一昨日あたりから夜だけ吹雪いて日中は晴れる、という天候が続いている。今日は日中も少しだけ吹雪気味だった。根室沖に強い低気圧が停滞しているからだろうが、大人の背丈以上もある大きなうねりが押し寄せてくる。校舎の窓から、眼下に見える海岸に押し寄せるうねりを見ているのが好きだ。
 それは海の威嚇だ。うねりを見ていると、人間が無力であることをひしひしと実感する。本当は、そのような実感を多くの人々に持ってほしいのだ。環境教育は、「地球に優しい」などとうれしそうに叫んでいないで、このような力を直に感じ取ることのできる人間を育てたい。理屈も大切には違いないが、感性を育てることも必要なのだろう。

2009年3月11日水曜日

時ならぬ低気圧

 沿海地方から日本海を渡ってやって来た低気圧が、意外に発達し、羅臼の町は吹雪になった。昨夜、遅く帰宅したが、国道は激しいホワイトアウトで視程はしばしばゼロになった。
 「この分では明朝は臨休かな」と期待させるのに十分だった。

  夜の間も家が揺れるほどの風が吹いていた。ところが、明るい朝を迎え、あれほど降っていた雪が夜半過ぎには止んでいたらいいことが判明した。したがって、激しいのは風のみ。臨休は期待させてくれただけで終わった。
 めでたしめでたし、と言った方が良いのでしょうねえ。

2009年3月10日火曜日

山への感謝

 エルゴメータという装置で心臓負荷心電図をとって検査することになった。自転車のようなものを漕いでいる時の心電図をとるらしい。
 今日、その検査のために釧路に来た。約10分間、自転車を漕ぐ。ペダルの重さは3段階あり、3分ごとに重さが増していく。目の前にモニターがあり、その時の負荷、回転数、心拍数などが表示されるようになっている。
 あらかじめ、50rpm(毎分50回転)でこぎ続けるように指示されていたので、これを見ながら漕いでいく。最初、ごく軽い負荷で、通常と全く変わりないと感じたのたが、心拍数はほんの少し上昇している。やはり身体の反応は正直なものだな、と感心した。
 やがてペダルがやや重くなった。それでもあまり負担は感じない。
 6分後、もっとも重いステージになる。どれほどのものか、と覚悟していたが、まだまだ余裕を感じた。ほんの少し汗ばんできたような感じがする程度だ。
 夏、羅臼湖入り口と知床峠頂上の駐車場を自転車で往き来する。羅臼湖入り口に自動車を駐めることができないからだ。知床峠の頂上付近には急坂は無く、ゆるやかな上り下りが連続するだけだ。それでも、あのアップダウンを走るより桁違いに楽な負荷だった。
 検査を指示した医師は、心拍数130くらいになった時の心電図を見たいらしかった。けれども心拍数はなかなか100を超えない。負荷が最大になったところで回転数を10%くらい高めて、自主的に「協力」することにした。しかし、心拍数は100を挟んで+-3くらいの値にしかならなかった。これでいいのかなあ?と思っているうちに検査は終わった。何気なく通っている羅臼湖だが、自分の身体を鍛えてくれていて、こんな場面でその恩恵がよくわかるのだなあ、と思った。

  全てを終えて病院を出た時、いろいろな山々が僕の身体を鍛えてくれたことが、しみじみとありがたく感じた。
 感謝感謝である。

2009年3月9日月曜日

自動車ドロボーとシマフクロウ

  キーを差し込んで回すとアクセサリーのスイッチが入り、メインの回路がONになり、さらに回すとスタータモーターが回る。これが普通のクルマのエンジン始動法だ。
 わが、アルクティカ、最初にメイン回路の電源が入らなくなった。スイッチ内部のポイントの摩滅による接触不良が原因だった。そこでメイン回路のスイッチを別に取り付けた。しばらくは快調だったが、つぎにアクセサリーの接触が不良になった。そこで、数日前、アクセサリー回路のスイッチを別に付けた。この時点でスタータのスイッチだけは健全だった。

 ところが、今朝、エンジンが始動しない。ついにスタータのポイントもダメになったらしい。予想はしていたが、思っていたよりはるかに早かった。今朝はスタータに来ているコードを直結させて始動した。ほとんど自動車ドロボーの気分だ。

 昼休みを利用してこの部分に押しボタンスイッチを取り付けたので今、僕のクルマは、キーを回してもエンジンはかからず、ボタンを押してかけるようになっている。なんとなく嬉しくなってくる。

 ちょっとだけ肩の関節が痛んでいたので夜、温泉に行った。露天風呂に入っているとシマフクロウのつがいが鳴き交わす声が聞こえた。羅臼では、それほど珍しいことではないが、湯に浸かりながら聞く、シマフクロウも悪くない。幸せだなあ。

2009年3月8日日曜日

ハクチョウの訓練飛行

 ハクチョウが飛び始めた。
 風蓮湖に近い僕の家は、オオハクチョウの飛行コースの下にある。彼らは、飛行中、独特の声で鳴き交わしている。朝、外に出るとまずその声が聞こえてくる。それから空を仰いで待っていると数十羽の群れが、V字形にきれいに並んで飛んでくる。
 時には、十メートルあるかないかの低空を通過していく。そんな時は、ギシギシギシギシと風切り羽がこすれ合う音も聞こえる。今日の午前中は、そんな群れが5~6グループ飛び去っていった。
  本格的な渡りは、もう少し先のことだろう。今は、訓練飛行、慣熟飛行の段階だと思う。しかし、今年の渡りは早いと言われている。ハクチョウたちの訓練もいつも以上に気合いが入っているように感じる。

2009年3月7日土曜日

非正規労働者

  きょうは、長野県で「非正規労働者」として工場で働いている教え子の誕生日だ。たくさんの卒業生を送り出してきた。みなそれぞれに印象に残っている。ただ、その中の何人かは「運命」と呼ぶほかない、不条理な巡り合わせに翻弄され苦しい人生を歩んでいる。 彼女もその一人だった。三年半ほど前、生活の再建を期して派遣労働者として長野県へ行くことを決断した。それ以来、懸命に働いて、生活もどうやら安定して少し余裕も出てきた様子だった。そこに、この不況である。
 僕が見る限り、彼女は、とことん真面目に生きてきている。同世代の娘たちの中には、なんとか楽をして大金を手に入れることを考える者もある。現代はそういう世相だ。そのような中で彼女は、愚直なくらい真面目に働いてきた。ひたすら真面目に働いてきた者が、なぜ報われないのか。
 このような現実を見ていると、この国の歪みが、もう限界を超えているではないか、と思わずにはいられない。