2012年2月20日月曜日

水の不思議 その2 流氷百話 15/100

今年は、例年にない冷え込みが続く。羅臼町でも、連日マイナス二桁の気温が続き、水道の凍結が後を絶たない。凍った水道管が破裂するケースもよくある。

 凍結した水道管が破裂するのは、水が凍って膨張するためだ。
 水は凍ると体積が増える。常識だ。体積が増えると言うことは密度が小さくなるということで、氷が水に浮かぶ原因もこれによる。
 氷が水に浮かぶとも、身の回りの現象だ。僕も毎晩ウイスキーを入れたグラスに氷を浮かべ、実験で確認しているが。
 流氷も海に浮かんでいるからこそ潮流や風で動き回ることができる。

 ところで、他の物質も水と同じように液体より固体の方が密度が小さく、固体が液体に浮かぶだろうか。ちょっと実験すればわかるが、蝋燭のロウは、固体は、液体のロウに沈む。また、低温で一部が固まった食用油を見ると、液体の方が上にあることがわかるだろう。
 アルコールを液体窒素で凍らせ、液体のアルコールに固体になってアルコールを入れると固体の方が沈む。ほとんどの金属も液体の方が密度が小さいから固体が沈む。
 
実は、水の方が例外的なのだ。
ほとんどの物質は、温度が高くなると体積が増え、低くなると収縮する。だから低温での密度が大きくなる。
 水は例外的で、4℃の時に密度が最大となり、温度がそれより高くても、低くても体積が増える。水は、物質の中で、非常に変わった性質を備えている。

 流氷がオホーツク海北部のアムール川河口から知床半島まで、はるばる旅してくるためには、水のこのような変わった特性があればこそである。

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