2012年2月14日火曜日

厳寒のあさに






 朝、何気なく窓の外を見るとキツネがいた。
 キツネは別に珍しくない。だが、その姿がなんだかオカシイ。
 いやに肥って見えるし、時々振り上げられる長い尾が二本見える。足もたくさん見える。
 よく見ると二頭の狐が交尾の最中だった。

 野生動物にとって、食べることもまぐわうことも快楽ではない。
 自分が生き残るため、自分の種を保存するため、必死に取り組む。

コトが終わってから二匹は、雪の上に座り込んでくつろいでいる様子だった。もっと近くでその表情を撮りたいと思い、そっと近づいた。
 30メートルくらいまで近づいた時、彼らは僕に気づき、そそくさと立ち去った。
 ちょっと悪いことをしたかなあ。

 気温-14℃。厳寒の朝、我が家の庭で新しい生命が宿ったことだろう。

 なんだか良い気分にさせてもらった朝のひとときだった。

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