2012年2月29日水曜日

流氷が連れてきた動物たち 流氷百話 16/100



 今日、羅臼沖の流氷の密度が高まったように感じる。
 昨夜から今朝にかけて、弱い南風が吹いた。
 そのため標津町の海岸にあった流氷が離岸した。その分だけ羅臼の沖の密度が高まったのかも知れない。

 流氷が岸に迫ってくると、いつもは沖の方にいる動物たちを海岸近くで見られることがある。アラナミキンクロなどのカモの仲間、ウミスズメの仲間など。流氷の上で出産するゴマフアザラシの仔が見られることもある。
 オオワシは氷を食卓として利用している。流氷に追われるようにトドも来る。

 流氷とともにやって来るこれらの生き物は、「流氷が連れてきた動物たち」と呼ばれる。
 羅臼で暮らしているとこれらの動物は身近な存在だが、彼らに会うために、わざわざ遠方から道東を訪れる人たちもいる。
 オオワシは、地球上でオホーツク海沿岸にしか生息していないから、ヨーロッパのバードウォッチャーたちの憧れである。

 知床で暮らす人々とも、これら流氷の周辺にいる生き物たちに対して、もっと興味をもって見てくれるようになればいい、と願っている。

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