2012年2月27日月曜日

「理解」すべきは野田さん!アンタだ

今日、一斉に野田総理大臣の沖縄への訪問がニュースになっていた。
たとえば、時事通信の記事の冒頭。

 野田佳彦首相は26日、就任後初めて沖縄県を訪問し、同県糸満市の平和祈念公園や「ひめゆりの塔」など戦跡を視察した。首相は那覇市内のホテルで記者団に対し、仲井真弘多(ひろかず)知事との27日午前の会談では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の「県外移設」を撤回したことなどを陳謝するとともに、同飛行場の名護市辺野古への移設に理解を求める考えを示した。(ここまで引用)

 どの報道も同様の内容だが、どうしても納得できないことがある。
 それは、何度も出てくる「理解を求める」とか「粘り強く理解をお願いしていく」と言う言葉だ。
 「理解する」とは、「物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。他人の気持ちや立場を察すること。」と辞書にある。

 日米両軍の激しい地上戦に巻き込まれた末に、27年間アメリカの統治下におかれ、その後40年経っても米軍基地や演習場がひしめき、アメリカ軍駐留に起因する事件や事故が絶えない沖縄。

 もっと遡れば、ヤマトと清国との二重支配を受け、薩摩藩による異国化政策とその影響による琉球差別など辛い経験をしてきた沖縄の人々の苦しみを理解すべきは野田さん!あなたの方だろう。
 あなたが「理解してくれ」と言うのは、おかしい。断じて間違っている。

 もちろん野田総理大臣は、知っている。
 「理解を求める」のではなく、本当は「強制的に辺野古に基地を作っちゃうから、黙って従えよ」と言っているんだということを。
 それが日本の政財界の意志だ。
 だから、前防衛局長の田中某の『不適切発言』などが飛び出すのだ。あれは、『不適切』じゃない。『正直発言』『ホンネ発言』である。
だから、夜明けにコッソリと環境影響評価書の一部を守衛室に持ち込んで、『提出』したことにできるのだ。「この連中には、この程度のやり方でアリバイが作られればいい」と考えているに違いない。

 野田首相は、最初から沖縄の人々の怒りや苦しみを「理解」するつもりなどない。もちろん新基地建設を「理解」させるつもりもない。
 もし、沖縄の人々の気持ちをちょっとでもわかろうとするなら、ヘリコプターによる上空からの視察で済ますなどという無礼千万な行動をとるはずはないだろう。

 「理解する」は、英語で「understand」だ。
 相手よりも下(under)に立って(stand)、相手の「気持ちや立場を察する」ことが理解なのだと思う。

 胸くその悪い出来事だった。

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